乳糖不耐症とは。原因と症状
乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる乳糖を消化する「ラクターゼ」という酵素の分泌量が少ない・または持っていないために、飲むとおなかがゴロゴロする、張る、下痢をするなどの症状が現れる状態のことを指します。
乳糖不耐症には先天性のものと後天性のものがあります。先天性の方は生まれつきラクターゼが不足しており、遺伝子の異常によって引き起こされることが分かっています。一方、後天性の方は成人してからラクターゼ分泌量が不足することで乳糖不耐症を発症します。
乳糖不耐症の人が避けた方がいい食べ物は
乳糖不耐症の症状が強い方は、とくに動物からとれる「乳」とそれらに含まれる乳糖が分解されていない食品は避けた方が良いでしょう。具体的には、生乳(牛乳、ヤギ乳、羊乳)、スキムミルク、練乳、生クリーム、アイスクリーム類、シチューなどです。
ただ「乳糖不耐症」と一口で言っても、症状が現れる許容量は人によりまちまちです。さらに、年齢を重ねるにつれその程度も変化する場合があります。よって、都度上記の食品をどれだけ摂るとどの程度の症状が出るか把握し、それに合わせて食事をコントロールしていくと良いでしょう。
乳糖不耐症でもプロテインは摂取できる!
プロテインの選び方についても上記同様で、ご自身の乳糖不耐の程度に合わせて選ぶのがおすすめです。現在、市販で手に入りやすいプロテインは乳由来のもの(「ホエイ」「カゼイン」)が目立ちます。症状が重い方は、乳由来ではない植物由来の「ソイプロテイン(大豆由来)」「ピープロテイン(エンドウ豆由来)」などを試してみてはいかがでしょうか。
また、ホエイプロテインでもWPI、WPHと記載がある種類であれば、乳糖不耐の方でも比較的取り入れられやすいかと思います。
- WPC(ホエイプロテインコンセントレート)
多く流通し、値段もリーズナブル。たんぱく質の含有率は約70%程度。 - WPI(ホエイプロテインアイソレート)
値段は高めだが脂質や糖質はWPCより低め。たんぱく質含有率は約90%程度。ストイックに糖質制限や脂質制限をしている人や、乳製品を摂取するとお腹が緩くなる人にもおすすめ。
筋肉をつけるためにもプロテインの選び方に気を付けて理想の体づくりに励んでいきましょう。
乳糖不耐症でもヨーグルトとチーズなら食べられる可能性
ヨーグルトは腸内細菌を整える効果を持つが、乳糖不耐症の人でも摂取できる可能性がある。
ヨーグルトは、発酵という製造過程を要する食品だ。発酵では乳糖の一部が分解されるため、乳糖不耐症の人でも摂取できるようになる。さらにヨーグルトに含まれる乳酸菌は、乳糖の分解を助ける機能も持つ。牛乳からつくられるヨーグルトだが、乳糖不耐症の人でも食べられるのにはこういう理由があります。
ヨーグルト100gに含まれるタンパク質は3g〜4g。ヨーグルトは忙しいときでも食事に採り入れやすく、タンパク質もしっかりと含んでいます。
また、チーズも乳糖不耐症の人が食べられる可能性がある。チーズは、製造過程で乳糖がほとんど失われるからだ。チーズはさまざまな料理との相性がよく。サラダやサンドイッチにチーズを入れたり、肉や魚を食べるときにチーズを使用した料理を選んだりと、チーズを摂取するチャンスは沢山ある。
ただし、全てのヨーグルトやチーズが乳糖不耐症の症状を引き起こさないわけではない。
また、乳糖不耐症と牛乳アレルギーは異なる疾患である。自己診断は危険を伴うため、医療機関を受診して正しい診断を受けるよう気をつけてほしい。