ヒップヒンジは大臀筋やハムストリングスを鍛える運動です。
また、スクワットやデッドリフトのようなトレーニングで、良いパフォーマンスを発揮したり、ケガを予防したりするのにも必要な動きです。
特にデッドリフトやスクワットは正しい動きができないと、効果を得られないどころかケガをする恐れもあります。ヒップヒンジをマスターして、運動パフォーマンスを向上させ、ケガを予防しましょう。
ヒップヒンジとは?
効率よく筋トレをしたい人は、まずはヒップヒンジをマスターしましょう。
ヒップヒンジの意味
ヒンジは、英語で蝶番(ちょうつがい)のことを指し、ヒップヒンジとは股関節を蝶番のように動かすという意味です。
蝶番はドアの開閉時にドアを支える金具のことで、ヒップヒンジでは股関節が蝶番のような役割を果たし、上半身を曲げて太ももに近づけていきます。ヒップヒンジを習得して股関節がスムーズに動かせるようになると、運動面や健康面で大きなメリットを得ることができます。
ヒップヒンジの効果

・腰痛予防
・怪我の予防
下半身の強化
ヒップヒンジは、お尻の筋肉である大臀筋や太ももの後ろ側にあるハムストリングのような大きな筋肉を使うため、下半身を強化することができます。下半身が強化されると、効率よく全身の筋肉量が増えて基礎代謝が上昇し、痩せやすく無駄な脂肪がつきにくい体を手に入れることが可能です。また、日常生活で立ち時間や歩く時間が長い場合は、下半身が強くなることで疲労が蓄積しにくく、回復も早くなります。
腰痛予防
ヒップヒンジを正しいフォームですることで、股関節がスムーズに動いて腰への無理な負担が少なくなり、腰痛を予防することができます。腰痛の原因の多くは、腰にある腰椎と呼ばれる骨への過剰な負担です。ヒップヒンジが正しくできるようになると、歩行や前屈など日常の動作で正しく股関節が使われるようになり、腰を痛める機会を格段に減らすことができます。
怪我の予防
ヒップヒンジは、股関節の動きをスムーズにし、骨盤周辺の筋肉を鍛えることで体の動きを柔軟にして怪我を予防することができます。
トレーニングや歩行や階段の昇り降りといった日常の動作の中で、股関節は動きの要となる大切な場所です。ヒップヒンジは股関節を起点にした動きを繰り返すため、股関節周辺が柔軟になり可動域が広くなることにより、体の他の部分への余分な負担が減り、怪我をしにくくなります。
ヒップヒンジのやり方
ヒップヒンジは間違ったフォームで続けると、太ももの前面に筋肉がついて足が太くなったり、膝関節や腰に負担がかかって怪我の原因になることがあります。ヒップヒンジで大切なことは、基本姿勢を身に着けることと、股関節を正しく使うことです。他のトレーニングに効率よく取り組むために、ヒップヒンジのやり方をマスターすることからはじめましょう。
ヒップヒンジをやる際のポイント
- 膝を曲げすぎない
- 筋肉の収縮を意識する
- 背中を丸めない
- 股関節を支点に曲げる
- 無理に上体を倒さない
膝を曲げすぎない
膝を曲げすぎると、対象筋に刺激が入らず、意味のないトレーニングになります。
どうしても膝が曲がってしまう方は膝裏の柔軟性が足りていないので、日頃からストレッチなどでほぐしておくと可動域を取りやすくなります。
柔軟性に問題がない方は、膝の角度も意識して運動しましょう。
筋肉の収縮を意識する
動作の際に対象筋がきちんと収縮していることを意識しましょう。
対象筋の収縮が意識できていないと、他のトレーニングをやる際にも筋肉に効かせられなかったり、関係ない部位まで痛めたりする恐れがあります。
ヒップヒンジは軽い負荷でも十分に効かせやすい種目でもあるので、大臀筋とハムストリングスを使っているという意識を持って実施しましょう。
背中を丸めない
背中を丸めて行うと、筋肉に負荷も乗らないうえに、腰を痛める可能性もあります。
お腹に力を入れて上体を真っ直ぐに保って運動することを意識しましょう。
股関節を支点に曲げる
ヒップヒンジは股関節を支点にし、お辞儀をするように行うのが正しいやり方です。
よくある間違いとして、背中を丸めてしまうことです。
股関節から可動させないと、太ももに負荷が乗ってしまい、大臀筋やハムストリングスに効かなくなってしまいます。
最初は分かりにくいかもしれませんが、鏡を見て何度も動作を練習しましょう。
無理に上体を倒さない
無理に上体を倒すと、ケガの元になります。
自分の可動域を十分に理解したうえで、トレーニングしましょう。
ヒップヒンジは多くのトレーニングの基本となる大切な動きで、マスターすることで効果的に筋肉を鍛えることができます。デッドリフトのようなバーベルを用いた負荷の高いトレーニングに取り組むときは、ヒップヒンジの習得が必要不可欠です。怪我を予防しながら安全に効果的にトレーニングをするために、ヒップヒンジをマスターすることから始めましょう。