キウイフルーツで睡眠向上

睡眠に良いとされる寝る前のキウイ。
しかし、寝る前のキウイは睡眠以外にも様々な健康効果をもたらしてくれることは、あまり知られていません。

ビタミンCと食物繊維が豊富なことで知られるキウイフルーツは、睡眠に効くスーパーフードと言われています。
台湾の台北医学大学が行った実験で、よく眠れない人に、就寝時刻の1時間前にキウイフルーツを2個、続けて4週間食べてもらったところ、素晴らしい結果が出ました。

被験者は、寝つくまでの時間が短くなり、睡眠時間が長くなり、ぐっすりと眠ることができました。キウイフルーツに葉酸と抗酸化物質の含有量が多いことが、眠りの改善に役立つと考えられています。
葉酸と抗酸化物質の不足は、不眠症を引き起こすと考えられており、葉酸不足はむずむず脚症候群と関連があるとも言われています。

寝る前のキウイがおすすめな理由

快眠効果をもたらすフルーツとして、キウイが注目されています。一年を通して手に入り、手軽に食べられるキウイですが、なぜ「寝る前」の摂取がおすすめと言われているのでしょう。それにはキウイの成分に由来する、5つの理由が関係しているのです。

1セロトニンが自然な入眠をサポート

キウイには「幸せホルモン」として作用するセロトニンという成分が含まれています。このセロトニンには精神を安定させ、不安を解消したりストレスを軽減したりする効果があります。

精神安定剤に分子構造が似ており、同様の働きが期待されています。

日々の生活にセロトニンが豊富なキウイを取り入れることで、入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒といった、睡眠に関する様々な問題が改善される可能性があります。

2クエン酸による疲労軽減効果

キウイを思い浮かべたとき、口の中に唾液が満ちる感覚がありませんか? キウイはフルーツの中でも酸味が強いことで知られています。この酸味成分のひとつがクエン酸であり、疲労回復効果が期待できます。

ブドウ糖などの栄養をエネルギーであるATPに変える際、ピルビン酸に変換されてから、アセチルCoAへと分解するルートと、乳酸を生成するルートに分かれます。乳酸を生成するルートでは、その過程で酸性物質である水素イオンが発生し、本来弱アルカリ性であるヒトのpHが酸性に傾きます。これが疲労の原因となると考えられています。

キウイ1個の重量はおおよそ100gほどであり、1個食べるだけで1gほどのクエン酸を摂取できます。効率的なクエン酸の摂取源としてキウイを活用し、睡眠時の疲労回復効果を高めてみましょう。

3抗酸化ビタミンやポリフェノールによるストレス軽減

キウイにばビタミンCやビタミンEといった、抗酸化作用を持つ「抗酸化ビタミン」が豊富に含まれています。またキウイの皮付近にはポリフェノールも豊富であり、こちらも抗酸化物質として機能することが分かっています。

抗酸化物質には、体内に発生した活性酸素を除去する働きがあります。乱れた食生活や過度の疲労・ストレスにより活性酸素は大量発生し、酸化ストレスとして血管や組織など、体の各所にダメージを与えることで知られています。

活性酸素を除去する抗酸化ビタミンやポリフェノールの働きにより、酸化ストレスを低減し、良質な睡眠を取りやすくする効果が期待できます。

4マグネシウムがセロトニンやGABAの生成をサポート

キウイからはマグネシウムを摂取できます。マグネシウムはセロトニンやGABAなど、リラックス効果やストレス低減効果をもたらす神経伝達物質の生成に関わるだけでなく、それらの神経伝達物質が正常に分泌され、受容体へと結合して効果を発揮するにおいても、重要な役割を担っていることが分かっています。

日本人の食生活において、マグネシウムの不足は起こりにくいと考えられてきましたが、近年では食生活の欧米化や精製穀物の摂取頻度が上がったことなどにより、マグネシウムが不足しやすくなっています。
また体にストレスがかかると、体内のマグネシウムが尿中に排泄されやすくなるため、マグネシウムの喪失が起こり、これによっても不足を招きやすいことが分かっています。

マグネシウム不足により、体内時計の乱れや、睡眠ホルモンであるメラトニンの減少を引き起こし、睡眠障害に影響を与えることも判明しています。良質な睡眠の確保のため、キウイから毎日マグネシウムを摂取できるようにしたいですね。

5食物繊維が腸内環境をサポート

キウイからは食物繊維を摂取することもできます。グリーンキウイの場合、100gあたりの水溶性食物繊維が0.6g、不溶性食物繊維が2.0gとなっており、キウイ1個で約2.6gの食物繊維を摂取できます。

キウイを始めとする果物に含まれている特徴的な食物繊維として、ペクチンとアラビノキシランが挙げられます。ペクチンは腸内で短鎖脂肪酸に変換され、腸内を酸性環境にして善玉菌を増殖しやすくします。
アラビノキシランは善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を促します。
このように、どちらも腸内環境を良好に保つ働きを持っているのです。またアラビノキシランは抗酸化物質としても機能するため、活性酸素を除去する効果も期待できます。

腸内環境と睡眠の関係を語るにおいて、セロトニンの存在は欠かせません。食事からも摂取できるセロトニンですが、ヒトの体でも合成が可能で、その大半は腸で合成されていることが明らかになっているのです。

また、日中に合成されたセロトニンは、夜になると睡眠ホルモンのメラトニンに変化し、自然な入眠をサポートするように働きます。幸せホルモンであるセロトニンの合成環境を整えることで、メラトニンを増やすこともできるため、より高い快眠効果が期待できるでしょう。

なお、腸内環境の悪化を招く要因となる便秘ですが、便秘の改善には水溶性食物繊維不溶性食物繊維、どちらも十分に摂取することが重要です。多くの野菜やバナナなどの果物においては不溶性食物繊維の量が圧倒的に多く、水溶性食物繊維は不足しがちです。

しかしキウイは水溶性食物繊維の量が比較的多いため、便のかさを増す効果に加え、便を柔らかくして排便をスムーズにする効果が期待できます。便秘解消効果がより高い食材であると言えるでしょう。

キウイに含まれる栄養成分

キウイには食物繊維やビタミンなど、多くの栄養成分が含まれています。主な栄養成分と効果は以下のとおりです。

栄養成分 主な効果
食物繊維 便秘予防など、お腹の調子を整える
ビタミンC 抗酸化作用(活性酸素の働きを抑える作用)
カリウム 体内の塩分量の調整をしている
リン 歯や骨のもとになる、体に必要なミネラル
葉酸 赤血球の生成を助けるビタミン

このように、キウイにはビタミンCをはじめとするさまざまな栄養素が含まれています。食物繊維やカリウムなども含まれているため、積極的に摂取したいフルーツです。

効果的なキウイの食べ方

1睡眠の1時間前に2個の摂取を継続しよう

キウイを用いた研究においては、1日2個の摂取でリラックス効果やストレス低減効果、睡眠の質を高める効果などが確認されています。

十分な睡眠時間を確保したい、という場合には睡眠の質の向上が確認されている就寝1時間前の摂取を目安としてみましょう

なお、セロトニン、GABA、マグネシウム、抗酸化ビタミンなど、睡眠の質の改善に効果的であると考えられている栄養素については、いずれも2週間から6週間の継続的な摂取によって効果を発揮することが分かっています。眠れない日や特に疲れた日にのみ食べるというやり方ではなく、毎日続けて食べることで快眠効果を得やすくなるでしょう。

2 キウイは生のまま食べる

キウイには、トリプトファンやビタミンB6、ビタミンCのほかにも、食物繊維やカリウムなどの栄養素が含まれています。

上記の栄養素の中には加熱や冷凍をすると、栄養素が壊れて失われる場合があります。

例えば、キウイを冷凍した場合、解凍方法によってはビタミンB6の損失量が増える場合があるので、解凍したキウイを摂取してもビタミンB6を上手く摂取できず、睡眠の質の向上に繋がりにくくなる可能性があります。

また、就寝前に冷たいものを摂取すると、胃腸に負担がかかります。そのため、キウイは冷凍せずに生のまま食べましょう。

キウイを食べる際の注意点

キウイを食べる際の注意点は以下のとおりです。

  • キウイを食べた時にアレルギー反応を起こす可能性がある
  • キウイの皮はよく洗ってから食べる

キウイを食べた時にアレルギー反応を起こす可能性がある

キウイは、果物の中でアレルギーの発症頻度が高い傾向があります。また、大抵の果物は加熱するとアレルギー反応を起こしにくいとされていますが、キウイは微量の摂取や加熱をしてもアレルギー反応を起こす可能性が高いといわれています。

キウイの皮はよく洗ってから食べる

商品にもよりますが、キウイの皮は水洗いすれば、安全面では食べることができます。キウイの皮には食物繊維やビタミンEなどが多く含まれているので、皮ごと食べるとより多くの栄養素を摂取可能です。

ただし、皮は消化に時間がかかるので、消化器官が未発達な子供や胃腸の弱い方は、食べる際に注意が必要です。また、キウイには硬いヘタが付いている場合があるので、皮ごと食べる時は気を付けましょう。

キウイは、睡眠の質に影響を及ぼすセロトニンの合成に必要なトリプトファンや、ストレスを軽減させるビタミンCなどを豊富に含んでいるフルーツです。

また、不足しやすい食物繊維やカリウム、ビタミンEなどの栄養素を多く含んでおり、便秘解消効果や抗酸化作用もあります。手軽に摂取できるので、睡眠の質を高めたい方は生のまま食べましょう!









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