血圧は「健康のバロメーター」
血圧は心臓から送り出される血液の勢いを数値化したものです。
高すぎると血管に負担をかけて脳卒中や心筋梗塞のリスクを上げ、低すぎるとめまいや倦怠感を招くこともあります。
日本では成人の 約3人に1人が高血圧 といわれ、特に40代以降から増加します。驚くべきことに、その多くが「自覚のないまま放置」しているのです。
なぜ定期的な血圧測定が必要なのか
1. 健康診断だけでは不十分
年1回の健康診断で「正常」と言われても、普段の生活で血圧が高くなっている可能性があります。
実際に「白衣高血圧(病院で測ると高いが普段は正常)」「仮面高血圧(病院では正常だが普段は高い)」と呼ばれるケースがあり、これらは放置すると動脈硬化や心疾患につながります。
2. 血圧は日内変動する
血圧は1日の中でも変化します。朝方は交感神経が活発になるため上がりやすく、夜は低くなりやすい。
この「朝の高血圧」は心筋梗塞や脳梗塞の発症と強く関連することが知られています。毎日同じ条件で測定することで、この変動を把握できます。
3. 生活習慣との因果関係が見える
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塩分の摂りすぎ → 高血圧の最大要因
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運動不足 → 血管の柔軟性低下
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睡眠不足やストレス → 血圧を押し上げる
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飲酒・喫煙 → 長期的に血圧上昇を招く
血圧測定を習慣化すれば、こうした要因とのつながりに気づきやすくなります。
正しい血圧測定の方法
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測定前に安静にする
測る前に1~2分間、椅子に座ってリラックス。会話やスマホ操作は避けましょう。 -
姿勢を整える
背もたれに寄りかかり、足を組まず、腕を心臓の高さに合わせます。 -
毎日同じ時間に測る
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朝:起床後1時間以内、朝食前・服薬前
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夜:就寝前
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記録する
1回だけでなく、2回測って平均値を残すのがおすすめです。アプリや手帳を活用すると便利。
理想の数値は?
一般的には
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130 / 80 mmHg 未満 を目安に保つのが良いとされています。
特に糖尿病や腎臓病などを持つ方は、さらに厳密に管理することが推奨されるケースもあります。
注意点
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一度だけ高い/低い数値が出ても、すぐに「異常」とは限りません。
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毎日測って「平均的にどうか」を見ることが大切です。
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高めが続く場合は、必ず医療機関に相談してください。
血圧を安定させるための生活習慣
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減塩:1日6g未満が推奨(外食や加工食品は要注意)
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適度な運動:ウォーキングや軽い筋トレで血管の柔軟性UP
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体重管理:体重が1kg減ると血圧も下がりやすい
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十分な睡眠:6~7時間の質の良い睡眠
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禁煙・節酒:タバコは血管を傷め、アルコールは血圧を上げやすい
まとめ
血圧は自覚症状がなくても確実に体をむしばむ「サイレントキラー」です。
だからこそ、 「調子が悪いときに測る」ではなく、「普段から測る」 ことが大切。
血圧測定は特別なことではなく、毎日のセルフチェックのひとつです。
今日から1日1分、自分の健康を守る習慣として血圧測定を取り入れてみましょう。