コーラなどの炭酸飲料やポカリスエットなどのスポーツドリンク、お菓子やドレッシングなど多くの商品に見かける果糖ブドウ糖液糖は砂糖の代わりに使用されています。
果糖ブドウ糖液糖とは?
果糖ブドウ糖液糖の正式名所は「高フルクトース・コーンシロップ(別名:異性化糖)」と言います。
- フルクトース=果糖
- コーン=トウモロコシ
という意味なので「トウモロコシから作った高果糖のシロップ」ということです。
ですが、実際はトウモロコシだけでなくジャガイモなどのでんぷんを分解して得られたブドウ糖とブドウ糖の一部を酵素によって果糖に異性化させた化学物質です。
ブドウ糖だけでも良いのに、なぜわざわざ一部を果糖に変えるのかというとブドウ糖だけでは砂糖よりも甘くないためです。
ブドウ糖は砂糖の7割程しか甘みがありません。果糖は砂糖の1.3倍程の甘みがあります。
甘みが強い順:「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。そのためブドウ糖の一部を果糖に変えて甘味料にします。これを異性化糖と呼びます。
ぶどう糖と果糖の働き
異性化糖に関する健康への影響についてはさまざまな意見があります。
ここで、異性化糖の成分のぶどう糖と果糖に分けて、体内での働きを見てみましょう。
●ぶどう糖
ぶどう糖は小腸から吸収されたのち血糖となり、インスリンの働きによって体の必要な部分に取り込まれエネルギーとなります。また、肝臓に運ばれグリコーゲンとして合成されたり、中性脂肪の合成に利用されていきます。
●果糖
果糖も小腸から吸収されますが、直接的に血糖とはなりません。
肝臓に運ばれたのち、ぶどう糖に変換されて血糖となります。
また、果糖のすべてがぶどう糖になるわけではなく、エネルギーになったり中性脂肪の合成に利用されていたりします。この時、ぶどう糖に比べて果糖は速く利用されるため、特に果糖は中性脂肪を合成しやすい、と言われています。
果糖ブドウ糖液糖の危険性!
血糖値が急上昇するのは?糖尿病にかかりやすいのは?
果糖は血糖値を上昇させないので、果糖ブドウ糖液糖よりも砂糖の方が血糖値を早く上昇させるように思うかもしれません。ですが、実は砂糖(ショ糖)は果糖とブドウ糖からできています。
となると血糖値の上昇スピードはどちらも同じくらいと思うかもしれませんが、これも違います。
「砂糖は体内でブドウ糖と果糖の2つに分かれてから吸収される」ので体に取り込んで吸収されるまでに時間がかかります。
一方、「果糖ブドウ糖液糖は最初からブドウ糖と果糖に分かれている」ので、あっという間に吸収されて血糖値がハネ上がってしまいます。
さらに果糖ブドウ糖液糖は血糖値の急上昇だけでなく、中性脂肪も砂糖よりも早く蓄えられるので糖尿病のリスクがより高くなります。
果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖の原料はトウモロコシなどを使用しますが、この原料の多くが遺伝子組み換え作物を使用しています。
トウモロコシは遺伝子組み換えの表示義務がある作物ですが、そこから加工して原形をとどめていないため飲料には表示義務はありません。
果物の果糖はどうなの?
果物には、当然、果糖が含まれていますが、くだものをそのまま食べる分には食物繊維も一緒にとれるので、心配しなくて大丈夫です。
むしろ、ビタミンなど身体が必要としている栄養素がとれます。
でも、ダイエット中の人は果物といっても摂りすぎには注意しましょう。
正直、果糖が含まれていない食品を探す方が難しいくらいです。
現実的に考えて、果糖の摂取をゼロにすることは難しいので、あまり神経質にはならない方が良いと思いますが、くれぐれも過剰摂取には気を付けたいものですね。