前回は脂質を制限する、ローファットダイエットについて解説しましたが、今回は糖質を制限するケトジェニックダイエットについて解説していきます!
ケトジェニックダイエットとは?
ケトジェニックダイエットは、一言でいうと糖質制限のひとつです。
ケトジェニックとは、ケトン体を肝臓で作り出して、脳などのエネルギー源として働かせる状態のことです。この「ケトン体」は実は体脂肪を燃やして作られます。しかし、現代の食事はご飯や麺、パンなどの炭水化物が主食になっているため、エネルギーは糖質(炭水化物を分解したもの)から作られるようになっています。
ケトジェニックダイエットは、糖質を制限して脂肪をたっぷり摂り、体脂肪をエネルギー源とする体に変えていくことです。
ケトン体とは何か?
ケトンまたはケトン体は、肪と脂肪酸が燃料として使われるときに生み出されます。身体は通常、食事の中の炭水化物から必要なエネルギーを得ていますが、十分な炭水化物が得られないときには、蓄えられた脂肪が分解されます。
ケトン体は体内に蓄積することがあり、血中ケトン濃度が高すぎると毒性を持ち、ケトアシドーシスと呼ばれる状態に至る場合があります。この状態は1型糖尿病患者の間でよく見られるもので、命を落とす場合もあります。
しかし糖尿病を患っていない人の場合は、ケトン体の生成が制御されて血液のpH値が正常に戻るため、心配はいりません。ケトン濃度を調べられるテストもあります。その中のひとつは、血中ケトン濃度と血中グルコース濃度を調べることができる血中グルコース測定器を使う方法です。また、尿検査によって調べることも可能です。
ケトジェニックダイエットで期待できる効果
脂肪燃焼
ケトーシスでいることによる主要な恩恵は、脂肪を燃料として使う身体能力が得られることです。炭水化物を多く含む食事を摂っている場合、このことはずっと難しくなります。ケトーシスの間、身体は効率的な脂肪燃料マシーンへと変わる能力を得られるかもしれません!この理由により、ケトジェニックダイエットはシェイプアップしたい人や、コンテストや写真撮影を控えている人など、減量を目指す人々の間で非常に人気があります。
食欲が抑えられる
ケトジェニックダイエットを行っている間、炭水化物が多く含まれる食事をしているときと比べ、食欲が抑えられる体験をする場合があることが明らかになっています (炭水化物が多く含まれる食事は、空腹度を高める可能性があります)。これはなぜかというと、1グラムずつ比較した場合、脂肪には炭水化物よりも多くのカロリーが含まれるからです (脂肪 1gあたり 9kcal、炭水化物 1gあたり 4kcal)。さらに、ケトンは満腹感を与えるホルモンであるコレシストキニンに影響を及ぼします。
またケトンは、空腹ホルモンであるグレリンにも影響を及ぼします。食欲が少なければ食べる量が減り、結果的により多く体重を減らすことができることが可能です。
筋肉の分解を防ぐ
エネルギー源となる炭水化物が十分にないときは、タンパク質が酸化してグルコースを生成することがあります。ケトジェニックダイエットを行っている間は、脂肪酸が豊富にあるため、タンパク質はエネルギー補給のために転換される必要がないので、筋肉のために使用できるタンパク質の量が増えます。これはつまり、非常にカタボリックなケトジェニックダイエットを行えば、筋肉の分解を防ぎながら筋肉をより多くつけることができるということを意味します。
ケトジェニックダイエット食材リスト
【ケトジェニックダイエットOKな食材】
- ・肉
- ・魚介類
- ・卵
- ・一部野菜[オリーブ、アボカド、キノコ類、タマネギ、レタス、トマト、ブロッコリー、ズッキーニ、アスパラ、ピーマン、ほうれん草など]
- ・油[☆mctオイル、☆ココナッツオイル、☆オリーブオイル、アボカドオイル、マヨネーズなど]
- ・大豆製品
- ・高脂肪乳製品[チーズ類など]
- ・ナッツ類
【ケトジェニックダイエットNGな食材】
- ・果物全般
- ・一部野菜[芋類、人参、レンコンなど]
- ・炭水化物全般[米、パン、パスタ、オートミール、うどん、その他小麦粉系、コーン系など]
- ・豆類[えんどう豆、ひよこ豆など]
- ・糖質入りのお菓子や飲料[低脂肪、低糖質もNG]
- ・油[キャノーラ油、グレープシード油、]
- ・低脂肪乳製品[牛乳、低脂肪ヨーグルトなど]
- ・甘味料全般
- ・酒[ビール、甘口ワイン]
ケトジェニックダイエットの方法
ケトジェニックダイエットで炭水化物を断つことは確かに必要ですが、結果を出すためには炭水化物をどの程度断てばいいのかを甘く見ている人が多いのです。一般的には、ケトーシスに入りたい場合、1日の炭水化物摂取量は50グラムを超えないようにすべきであると考えられています。
タンパク質と脂肪に関しては、あなた次第です。多くの人は、脂肪摂取量を高く保った方がより有益だと感じています。大まかな目安としては、まず摂取カロリーの半分以上、約60~70%を脂肪から摂取できるように脂肪摂取量を決めるといいでしょう。つまり、タンパク質摂取量は一日の摂取カロリーの約20~30%となるようにすべきだということです。
一日に摂取すべきカロリー量を計算する必要がある場合は、ここで計算できます。結果が出ない場合は、三大栄養素の摂取量を調整することを忘れないでください。
ケトジェニックダイエットは、減量を目指す多くの人々が利用できる、非常に強力なダイエット・食事方法です。最初慣れるまでは多少辛いかもしれませんが、慣れればすぐに結果が出るはずです。
適度に高脂肪の食事を摂っている方は、ナッツ、種子、アボカドなどの果物のような、自然の原料から得られた健康的な脂肪を摂るように心がけてください。ジャンクな加工食品やトランス脂肪は避けましょう。