トレーニング中の休憩は、セット数や反復(レップ)回数と同じくらい、大きな影響をフィットネスに及ぼします。休憩が短すぎると、ワークアウトの効果がなくなってしまうばかりか、悪くするとケガのリスクが高くなります。逆に長すぎると、エクササイズの負荷が不充分になります。ちょうど良い休憩時間は、ワークアウトの目標と、どんなエクササイズをしているかによって決まります。
筋肉が使えるエネルギーの量は限られていて、ウェイトリフティングでは、そのエネルギーをすぐに使い果たしてしまいます。身体は新しくエネルギーを生み出してこれに対応しますが、きわめて負荷の大きいエクササイズの場合、10秒もしないうちに消費量に追い越されてしまいます。たとえば、超ハードなデッドリフトなら、数回の反復でエネルギーが尽きてしまいます。
ハードなリフティングを1セット終えたあとに、2分半から3分ほどの休憩をとって身体を回復させれば、その間に、筋肉は短期的なエネルギーを補充でき、また全力でウェイトを持ちあげられるようになります。といっても、みんながみんな、それほど長く座りこんで、イライラと待たなくてはいけないわけではありません。とるべき休憩の長さに大きく関係してくるのが、そのトレーニングで何を目指しているかという目標です。
筋力をできるだけ鍛えたいなら、セット間の休憩を長めにする
できるだけ筋力を強くしたいと思っている人の場合、たいていは1~5回程度の少ないレップ数で、重いウェイトをあげているはずです。その場合、身体の神経系に大きな負荷がかかるため、回復するには長い休憩が必要になります。
筋力を最大限に鍛えるには、各セット間の休憩時間は、およそ2~3分、場合によっては最大5分を目安にすると良いそうです。この長さの休憩をとれば、その次のセットをする際に、前のセットとほぼ同じ強度で、しかも正しいフォームでエクササイズを実施できるようになります。
身体を回復させてケガを防ぎ、次のセットに同じエネルギーで全力投球できるようにしたいなら、セット間に2分以上の休憩をとるようにしましょう。レップ数は少なくても、4セット以上などセット数をたくさんこなす場合は、必要に応じて休憩時間を3~5分に延ばしてください。休憩をとる際に重要なのは、本当に身体を休めてリラックスして、次に集中できるようにすることです。
筋持久力を鍛えたいなら、休憩を短めにする
一方、筋肉を大きくしたり、筋肉の持久力を鍛えたりすることを目標としている場合は、1セットあたりのレップ数はもっと多いはずです。レップ数が多くなると、セットによって身体にかかる負荷も変わってきます。
体的に言うと、「筋肉が焼けるような感覚」が生じます。この種のワークアウトの場合は、休憩時間を短くした方が、「もっと育たないと!」というシグナルを、より強く筋肉に送れるそうです。また、そうした形でトレーニングをすればするほど、「焼けるような感覚」にうまく対応し、ハードなエクササイズをより長く続けられるようになります。
ワークアウトの種類や習熟度に合わせて休憩の長さを決める
ワークアウト初心者なら、必要に応じて休憩を長めにとるほうが良いでしょう。身体の状態やトレーニングのスキルが向上してきたら、それに応じて休憩時間を調節してもかまいません。
結局のところ、筋肥大=筋肉をつけるに適切な休憩時間はどれくらいなのかというと、状況によって変えることをオススメします。大体2分ほどがいいと、僕は思います。