トレーニングをする上で「ウォームアップ(ウォーミングアップ)」は大切であることに、異議を唱える人はほぼいないでしょう。どのようなレベルのアスリートであれ、トレーニングの前に体と心の準備運動を行うことは、最大パフォーマンスを発揮するために必須です。
ウォームアップは、トレーニング強度と内容によって種類が変わります。軽いジョギングをする場合ならウォームアップは不要ですが、100mダッシュを全力で行う前には入念なウォームアップが必要です。
同じように、ハードな筋トレをする際はそれだけウォームアップの重要性も増します。
ウォームアップを行うと、身体にどんな変化が起きるのか
適切なウォームアップを行うことで、身体にはいくつかの反応が起きます。それらは「体温の上昇に伴う反応」と「それ以外の反応」に大きく分けられます。
- 体温の上昇に伴う反応:筋肉温度の上昇、神経機能の強化 など
- 体温以外の反応:筋肉への血流増加、酸素消費量の上昇 など
体がポカポカして、心拍数が上がった状態を作り出すのがウォームアップです。ウォームアップを行うことで、トレーニング本番のパフォーマンスを上げてくれるでしょう。
気持ちを切り替える精神的効果も見逃せません。
ウォームアップの種類と順番
原則として、筋トレ前のウォームアップは以下の順番で行います。
1)軽い有酸素運動で心拍数と体温を上げる
2)アクティブ・ストレッチで筋肉と関節をほぐす
3)軽い負荷のセットで動作を体に慣らす
軽い有酸素運動で心拍数と体温を上げる
ジョグや自転車漕ぎ、縄跳びなどを5分間ほど行います。ゆるやかに心拍数と体温を上げることが目的ですので、ゆっくりとしたペースを心がけましょう。
ジョグを例にすると、最初は速歩き程度のスピードから始め、徐々にスピードを上げていきます。ただし、全力疾走はしません。
アクティブ・ストレッチで筋肉と関節をほぐす
動きながら体をほぐします。たとえば、「ラジオ体操」はとてもよいアクティブ・ストレッチです。
長い時間じっと筋肉を伸ばす静的ストレッチは、動かないことにより体が冷えてしまうため、ウォームアップには適しません。
筋肉が弛緩しすぎると、運動パフォーマンスが落ちるというデータもあります。
アクティブ・ストレッチは、本番の筋トレで使う筋肉とその拮抗筋肉に刺激を与え、関節の可動域を広げることが目的です。
従って、その日の筋トレのメニューにより、アクティブ・ストレッチで重点を置く体の箇所も変わります。
軽い負荷のセットで動作を体に慣らす
その日のメイントレーニングと同じ動作を、軽い負荷、あるいは自重のみで行います。ウォームアップ効果に加えて、本番動作のリハーサルやフォームの確認にもなるでしょう。
複数種目の筋トレに取り組む場合は、その種目ごとに軽い負荷のセットを行うことをおすすめします。その際、ウォームアップ用のセットは本番のセット数には含めません。
ウォームアップから筋トレ前までの流れ
1. ジョギングなどの有酸素運動で身体を温める
身体を暖めるには、ジョギングなどの有酸素運動がよく適しています。
キツさを感じずほんのりと汗をかけるぐらいのペースで、大体10〜20分程度を目安に行なっていきましょう。
終わる頃には、適度に体温が上がり全身がほぐれた状態にすることができるので、ケガの防止とパフォーマンス向上に繋げることができます。
2. ストレッチで筋肉を伸ばし、関節の可動域を広げる
有酸素運動で身体全体の温度が上がったら、次はストレッチを入れていきましょう。
各部位を入念にストレッチすることによって、それぞれの筋肉の温度が上がり、怪我をしにくくなります。
また、可動域が広がることでより筋肉を動かしやすくなり、筋トレのパフォーマンスの向上も狙えますよ。
特にトレーニングで使う部位は重点的にストレッチをする
鍛えたい部位には当然強い負荷がかかりやすくなります。
トレーニング前のストレッチが不十分だと関節を動かせる範囲が狭くなり、メインセットで腱や筋を痛めて怪我をしてしまうことに繋がりやすくなってしまいます。
パフォーマンスもベストなものを発揮できなくなってしまいますので、トレーニングで使う部位は念入りに伸ばしておきましょう。
順番3. 負荷の軽い自重トレーニングから始める
いきなりメインセットで負荷が高い筋トレから入ると、筋肉に急に負荷がかかってしまい、筋などを痛めてしまうことになりかねません。
負荷が低い自重トレから始めると徐々に身体が負荷に慣れてくるので、その後に負荷の高い器具でのトレーニングをしても怪我をしにくくなります。
怪我を防いだり、身体をトレーニングする状態に持っていけるので、まずは負荷が低めから少しずつ高めていきましょう。