基礎代謝とは、安静時に消費されるエネルギーのこと。
人間は寝ている時にも呼吸をしたり、心臓などの内蔵を動かしたり、脳を働かせたりしています。こうした様々な生命活動に使われる必要最小限のエネルギー代謝量が基礎代謝量です。
実はこの基礎代謝量が消費エネルギーの大半を占めていることを知らない人も多いです。
1日の消費エネルギーはこの基礎代謝量に生活代謝量をプラスしたものになります。その割合、何と基礎代謝量の方が大きいんです!比率にすると生活代謝量が30%なのに対し、基礎代謝量は70%を占めています。
つまり基礎代謝量が高い人ほど痩せやすいと言うことなんです。
人の体は安静時でもエネルギーを必要とします。
礎代謝量の計算方法(計算式)と求め方!年齢別の目安と基準値も!
基礎代謝量を決めるのは性別、年齢、活動量です。女性より男性の方が筋肉が多いので男性の方が基礎代謝量は多いです。
また若い人の方が活動的な場合が多く、代謝も活発ですから基礎代謝量は成長期がピークとなり、徐々に減っていきますが、20代と40代の基礎代謝量は全く違います。
年齢・性別による標準的な1日基礎代謝量の目安は、基礎代謝基準値と体重を掛け算することによって把握することが可能です。
基礎代謝基準値というのは、体重1kgあたりの基礎代謝量(kcal)を表す数値のことであり、1~2歳をピークに加齢に伴い減少していきます。
推定エネルギー必要量の計算式 =
基礎代謝量基準値×体重×身体活動レベル(低い1.5 普通1.75 高い2.0)
身体活動レベル
身体活動レベルⅠ(低い)
(1.5倍で計算する)
生活の大半を座って過ごし、デスクワークなど静的な活動が主体になっている人
身体活動レベルⅡ(普通)
(1.75倍で計算する)
座っていることが主体の暮らしではあるものの、勤め先での移動や立ってする作業や接客などがある、あるいは通勤、ショッピング、家事、軽いスポーツなどのいずれかが含まれる人
身体活動レベルⅢ(高い)
(2.0倍で計算する)
移動や立っていることの多い職業に就いている、あるいはスポーツなど余暇で盛んに体を動かす習慣がある人
身体活動レベルは低い、普通、高いの3つに分けられます。
座り仕事など座っていることが多く、通勤や買い物の移動が少ない方は活動量が低いので基礎代謝も低くなります。
普通レベルの方は通勤や場合によって立ち仕事、移動を含む仕事をしている、家事や買い物など軽い運動をする場合です。
基礎代謝が大きくなるのは活動レベルが高い人で、立ち仕事がメインのかた、運動量が多い方、スポーツをしている方で、基礎代謝も大きくなります。
・身体活動レベルⅠ(低い)⇒1.5倍
・身体活動レベルⅡ(普通)⇒1.75倍
・身体活動レベルⅢ(高い)⇒2.0倍
この計算式に基礎代謝基準値と現在の体重と自分の生活に合った身体活動レベルを当てはめて計算します。
例:40歳男性で体重70kgでほとんどスポーツをしないデスクワーク中心の人
22.3(基礎代謝基準値)×70(体重)×1.5(身体活動レベル)=2341.5
というような計算式になります。
基礎代謝量を知りたいと思っても、実は基礎代謝量を正確に測ることはできません。
食事からとる栄養素の種類によっても基礎代謝量も変わりますし、肝機能や筋肉量や体温などによっても変わるからです。
年齢などによっては身体活動レベルが変わっても、基礎代謝量は変わらないこともあります。肝機能や筋肉量で大きく変わりますので、1日の総消費カロリーは全く違うと考えるといいでしょう。
だからあくまでも目安が分かるという事です。
1日に必要なカロリーとは?
人はなぜ太ったりするのでしょうか?
それは、一般的に、実際日常生活で使われる「消費カロリー」よりも食べ物等から摂り入れる「摂取カロリー」が多いからです。
余分に摂取したカロリーは最終的に脂肪として体内に蓄えられます。
つまり、普段歩いたり階段を上ったり等して消費するカロリーよりも、食べたものから得たカロリーが多いと太るということです。
結果的に痩せるためには、消費カロリー>摂取カロリーの状態にすることが必要です。そのためには、運動量を増やして、食事量を抑えるか、あまり動かなかった日は食べ過ぎない・・・という単純な話なのです。
年齢別・1日に必要なカロリー早見表
1日に必要なカロリーは、性別、年齢、体格(筋肉量)やどのくらい体を動かしているかといった要素によって決まります。
参考までに、平均的な体格の男女が1日に必要とする量は以下のとおりです。
【推定必要カロリー(kcal /日)】
男性
身体活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(普通) | Ⅲ(高い) |
---|---|---|---|
18〜29歳 | 2,300 | 2,650 | 3,050 |
30〜49歳 | 2,300 | 2,700 | 3,050 |
50〜64歳 | 2,200 | 2,600 | 2,950 |
65〜74歳 | 2,050 | 2,400 | 2,750 |
75歳以上 | 1,800 | 2,100 | – |
女性
身体活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(普通) | Ⅲ(高い) |
---|---|---|---|
18〜29歳 | 1,700 | 2,000 | 2,300 |
30〜49歳 | 1,750 | 2,050 | 2,350 |
50〜64歳 | 1,650 | 1,950 | 2,250 |
65〜74歳 | 1,550 | 1,850 | 2,100 |
75歳以上 | 1,400 | 1,650 | – |
1日に必要なカロリーは「基礎代謝量×身体活動レベル」で計算する
平均的な体格の人の摂取カロリーではなく、自分の体型に合ったカロリーの目安を知りたい場合は、「基礎代謝量×身体活動レベル」という計算式で1日に必要なカロリーを求めることができます。この計算式は、厚生労働省や日本医師会などでも採用されている、成人の消費カロリーの算出方法です。
基礎代謝量
基礎代謝量とは、生命維持に使用される必要最小限の消費カロリーを指します。
人間は何もしていなくても、心臓などの臓器が機能したり息を吸ったり吐いたりするだけでカロリーを消費します。
基礎代謝量を計算する方法にはさまざまな種類がありますが、国立健康・栄養研究所の式は幅広い年齢層で比較的に妥当性が高いと言われていますので、ここでは国立健康・栄養研究所の推定式を紹介します。
基礎代謝量の推定式(18~29歳) | |
---|---|
男性 | (0.0481×体重kg+0.0234×身長cm-0.0138×年齢-0.4235)×1,000/4.186 |
女性 | (0.0481×体重kg+0.0234×身長cm-0.0138×年齢-0.9708)×1,000/4.186 |
身体活動レベル
身体活動レベルとは、日常生活における活動の強度を示した指標です。1日の総エネルギー必要量を基礎代謝量で割ったものとされています。
厚生労働省では、身体活動レベルの基準を以下のように定めています。
身体活動レベルの基準 | ||
---|---|---|
低い(Ⅰ) | ふつう(Ⅱ) | 高い(Ⅲ) |
ほとんど座って仕事している | デスクワーク中心の仕事だが、 通勤や買い物、家事などで動くことはある |
立ち仕事、あるいはスポーツなどを 習慣的に行っている |
1日に必要なカロリーを計算する際は、身体活動レベルごとに割り当てられた数値を用います。
身体活動レベルの数値は、基準や年齢によって以下のように変わります。
年齢 | 身体活動レベル | ||
---|---|---|---|
Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | |
6〜7歳 | 1.35 | 1.55 | 1.75 |
8〜9歳 | 1.4 | 1.6 | 1.8 |
10〜11歳 | 1.45 | 1.65 | 1.85 |
12〜14歳 | 1.5 | 1.7 | 1.9 |
15〜17歳 | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
18〜29歳 | 1.5 | 1.75 | 2 |
30〜49歳 | 1.5 | 1.75 | 2 |
50〜64歳 | 1.5 | 1.75 | 2 |
65〜74歳 | 1.45 | 1.7 | 1.95 |
75歳以上 | 1.4 | 1.65 | – |
「基礎代謝量×身体活動レベル」の計算例
身長160cm・体重50kg・年齢30歳の女性の場合、計算式に当てはめると、基礎代謝量は約1138kcalです。身体活動レベルがⅡであれば、30歳の女性では1.75となるので、「基礎代謝量約1138kcal」×「身体活動レベル1.75」=「1日に必要なカロリー約1,992kcal」となります。
※小数点は四捨五入
ただし、あくまでも今の体格において必要なカロリー量なので、肥満状態の場合はカロリー制限が、痩せすぎの場合は摂取カロリーの増加が必要となる可能性があります。「基礎代謝量×身体活動レベル」で求めた1日に必要なカロリーは、あくまでも目安程度にとどめるとよいでしょう。
ご自身の体格に合った推定必要カロリーが知りたいという方は身長や体重、年齢などから計算することがおすすめです。
健康的にダイエットしたいという方は身長に対して標準体重であった場合に必要とするカロリーを目安にしましょう。
体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで増減します。
痩せるためには摂取カロリーが消費カロリーを下回る必要があるため、まずは必要以上にカロリーを摂取しないことが重要です。
また体を動かして消費カロリーを増やすことも心掛けましょう。
エネルギー源になる、つまりカロリーのもととなる栄養素には、エネルギー産生栄養素と呼ばれる炭水化物・たんぱく質・脂質の3種類があります。
これらはそれぞれに異なるはたらきをするため、摂取のバランスを整えることがポイントです。
1日に摂取するカロリーを意識してみてください!