「脂っこい料理は太る」というのは、多くの方に広く知られています。中には「油=太る」と考えている方も少なくないでしょう。一般的に脂っこい料理は、脂質量が高く過剰に摂取すれば太ります。だからといって「脂質全てが筋トレをする人たちの敵か?」というとそういうわけではありません。
脂質は体内で細胞膜やホルモンの材料として利用されています。他には「脂肪でお腹まわりがプヨプヨしている」と悩んでいる方も少なくありません。しかし、この皮下脂肪でさえ内臓を守るクッションの役割をはたしています。人間にとって体温を保つことは生命の維持に必要ですが、これも脂肪が関与しています。一概に脂肪やその素となる脂質がすべて悪いわけではありません。
脂質は構成成分である「脂肪酸」と他の色々な物質と結合することでできています。この脂肪酸の種類の中で「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれるものがあるのです。下記の表は有名な一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸になります。
・一価不飽和脂肪酸 … オレイン酸など
食品例 … オリーブオイル、なたね油、イワシ油、アボガドなど
・多価不飽和脂肪酸 … リノール酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)など
食品例 … 魚油、トウモロコシ油、大豆油、えごま油、アマニ油、クルミなど
実は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸にはコレステロール値を低下させ、動脈硬化予防の働きがあります。
オリーブオイルが筋トレをする人に推奨されるのは、比較的手に入りやすく色々な料理に手軽に使用できるからです。油であっても表に示したとおり一価の不飽和脂肪酸が豊富なオリーブオイルは比較的太りにくいです。
オリーブオイルの栄養素
オリーブオイルには不飽和脂肪酸が豊富に含有されています。不飽和脂肪酸には動脈硬化や血栓予防の効果が期待できます。不飽和脂肪酸は他に血圧を下げたり、コレステロール値の低下も促してくれます。
【オリーブオイル 15ml(大さじ1)の栄養成分】
・エネルギー 134kcal
・タンパク質 0g
・脂質 15.0g
・炭水化物 0g
・食塩相当量 0g
スーパーマーケットにいくとオリーブオイルの中でも「エキストラバージンオイル」という商品を見かけるはず。エキストラバージンオイルにはオレイン酸だけでなく抗酸化作用の強いビタミンEやポリフェノールも豊富に含有されています。
筋トレに欠かせない【脂質】必要量
筋トレに欠かせない脂質の必要量は、必要カロリーの20~30%が推奨されています。
性別・年代別・活動レベル別で必要総カロリーの20%カロリーを出し、9で割った数値が脂質の必要量になります。
例えば1日2000kcalとすると、必要な脂質は20%で400kcal、脂質は9kcalなので1日の必要量は45gです。
オリーブオイルには筋肉の維持に欠かせない、一価不飽和脂肪酸と呼ばれる脂質が豊富に含まれているので、脂質を摂りたいときにおすすめです。また、筋トレで筋肉に負荷をかけると、活性酸素が発生します。
活性酸素は体を酸化させ、筋肉の成長を妨げるので酸化を抑える必要があります。オリーブオイルには、抗酸化作用のあるポリフェノールとオレイン酸が豊富に含まれているので、筋トレする人に最適です。